就職転職・昇進昇格試験コラム1
就職試験・昇進昇格試験論文や作文の参考になるコラムです。
「日の下に新しきことなし」
「…されど、今一度繰り返し言わねばならないことがある。」
と言ったのは、確かゲーテだったかと思います。
このコラムを始めるに当たって、いきなり格言を持ち出したのは、何も格好を付けようとするためではありません。これからお話しする様々なこと、それが、あまりに当たり前で、誰でも知っていることだからです。
ならば、わざわざみなさんの時間を頂くまでもないのですが、この「当たり前のこと」を忘れているのではないか、と思う現象を、あまりによく目にするがためなのです。
私がさまざまな企業のさまざまな部門で出くわしたこと、たくさんの方々から相談を受けた就職活動のこと、それらをもとにお話しし、今一度みなさんに考えていただきたい、というのが、このコラムの趣旨です。
みなさんのお役に、わずかでも立てるなら、これ以上のことはありません。
では、始めましょう。
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就職、転職、そして昇進試験、これらは審査される側の我々にとって、そもそも何でしょうか?
…それは他でもなく、「自分を商品とした営業活動」に他なりません。
すでに社会の中で、営業活動に従事されている方には、骨身に染みるほどご存じだと思いますが、営業は買い手をその気にさせなければ、どうにもならない仕事です。
売り手がいくらいい商品だと思おうが、思いこみがあろうが、また安かろうが、買わない人は絶対に買いません。つまり、売り手の感情や情熱とはあまり関係がない所に、結果が現れてくるのです。
これはまた、売れないからといって、必ずしもその商品が悪いとは言えない、ということでもあります。よく、就職活動がうまくいかない人に、「あの会社だけが社会じゃないよ」と慰めることがありますが、まさにその通り。この場合は、売る先をもっと広げることが肝心でしょう。
話を元に戻します。
「自分を商品にする」ならば、売れるようにする必要があるのは言うまでもありません。その第一歩は、「売ろう」とする自分の意志です。ここが大事なところですが、必要なのは「意志」であって、感情や情熱ではありません。もちろん、人間である以上これらはついて回るのですが、それに引っ張られると、やたらと情に訴える営業になったり、うまくいかない場合に、度を超して落ち込んだりすることになります。
人間不信になっているひまがあるなら、どうやって売るか、それを冷静に考えた方がよいのです。
これはつまり、売るための合理的な作戦を立てる、ということに他なりません。相手が何を望み、何におそれを抱き、好意あるいは反感を感じるのか? それに対する怜悧な分析があって、はじめて勝算が立つことになります。
これを極端にたとえてみましょう。
人文系の大学を出た人が、工業会社の研究所に応募するとします。
無理です。
いくら「おねがいします」を連発しようが、追い返されるだけです。なぜなら、相手の望みと、こちらが提供できるものが、全く異なっているからです。ですから、どうしても採用されたいなら、あらためて理工系学部に入り直す事が必要でしょう。これが、合理的な作戦です。
なにを当たり前のことを、とお考えかもしれません。しかし、こうした例は全然珍しくないのです。事実、企業の採用活動で真っ先に行われるのがこの「お呼びでない応募者」の排除なのです。この作業が業務全体に占める割合は以外に大きく、あっという間に、くずかごに履歴書がたまることになります。
就職活動、転職運動、昇進試験対策に取り組まれるみなさん、今一度、自分にとっての合理的な作戦とは何か、考えてみてはいかがでしょうか。