就職転職・昇進昇格試験コラム5

就職試験・昇進昇格試験論文や作文の参考になるコラムです。

「決断の時」--能力の表し方について

 企業が求める人材を、最も要約して言えばこうなります。
  「有能かつ従順な人。」
  しかし、有能な人材ほど従順でない、というのは古今東西の真理です。なぜなら、批判精神がなければ進歩はなく、進歩のない所に能力は生まれないからです。そうである以上、この要求は「ないものねだり」と言えるかも知れません。
 
  もしあなたが有能な人材であるなら、それゆえに招く摩擦、反感、冷遇から逃れられないおそれはあります。これを運命とあきらめて、ひたすらご無理ごもっともと頭を下げて日々を暮らすか、飼い殺しに甘んじるのも一つの生き方です。ですが、もしそれに我慢できないなら、外の世界に打って出るか、またはこうした攻撃を受けないよう、あらかじめ用心するしかありません。

  用心、とは何でしょう。それは、「むき出しの有能さをさらけ出さないこと」に他なりません。

  就職する前であれ、社会人となった後であれ、あなたと面接担当あるいは上司を比べた場合、必ずしも相手の方が有能とは限りません。そこでまず、何よりもしなくてはならないのは「相手をよく観察すること」と言えます。
  相手がどういう人間か。特に、あなたを使いこなし、評価するだけの能力があるかどうか。これを怠って、「あんたは管理者・評価担当なんだから、私の能力をそのまま認めろ」と要求することは出来ません。なぜなら、上に立つ人間は、かなりの器量を持った人でも、自分より優れた人材をなかなか認めたがらないからです。この鉄則を無視することは、それこそ「ないものねだり」ということになってしまいます。
  しかし、それでも程度の差はあります。これは幸いにも、相手はほとんどの場合中年の男性ですから、見分けることは比較的やりやすい、と言えます。それはどこで見るのか? …その一つは、顔です。
  私は冗談を言っているのではありません。「男は30過ぎたら顔に責任を持て」とよく言われるのは、あながち間違いではありません。有能な人の顔はたとえ厳しくともある種の美を感じさせますし、そうでない男の顔はそれなりに、どうしてもなっていきます(すみません、女性についてはよくわかりません)。

  次に観察すべきは、相手がどのように、人と接するかです。ここで、先ほど申し上げた「用心」がかかわってくるのです。
  無能な上司に、部長、あなたはばかですね、と言ってはいけないのは言うまでもありません(もうやめる決心が付いたなら別です)。そして、自分の能力を、これ見よがしに示しても、あなたにとってよい結果は生みません。そこで、普段からよく観察し、相手が仕事上、何らかの困難に突き当たるのをじっと待つのです。そして、あなたの能力をかけて、予想される困難に対する解決法を、いろいろ用意しておくのです。
  困難なときほど、人はその真の姿を見せます。これこそ、相手を知る絶好のチャンスです。そのとき、下手に出て、「あの、お役に立つかわかりませんが、これこれこういうのはどうでしょう…差し出がましくてすみません。」と言いながら、おずおずと提示してみましょう。あくまでも、下手に、です。そして、開陳する方法が、間違いなく有効である必要があるのは言うまでもありません。

  そのとき、全く無視して受け付けないか、横取りして全く自分の功績にしてしまうかをしないなら、まだその人には見込みがあります。礼を言われる事なんて期待してはいけません。我々が見分けなくてはいけないのは、あくまでも「これはもうダメだ」の一線だからです。
  しかし、「ダメ」の一線を越えてしまうようなら、その人の前では、もう自分の能力を発揮すべきではありません。さもなくば必ず災難が降りかかります。大きな会社なら、自分か相手が配置転換になるのを待ち、小さな会社ならさっさと転職を考えた方がよいと、私は考えています。あなたが求職中の学生なら…もうすこし様子を見ましょう。何しろ、職場というものは最低1年はいないと、どのようなところかわからないからです。

  いずれにせよ、あなたの能力を生かすのは、能力そのものだけではなく、それをどう表すかにかかっていると言えるのではないでしょうか。そしてまた、人の能力を決めるのは所詮他人の評価であり、評価される人材とは、会社にとって、ではなく、上司、あるいは採用担当にとって都合のいい人材であることを、もう一度思い返す必要があるでしょう。

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