就職転職・昇進昇格試験コラム6
就職試験・昇進昇格試験論文や作文の参考になるコラムです。
「魔法のクスリ」--知識の蓄え方について
「面接や論文で、一般常識とか時事問題を問われるんですが、どうやって覚えたらいいでしょう?」と問われることがあります。
これに対しては、残念ながら「できるだけたくさん、本や新聞を読んでください」と答えるほかありません。
何かの問題に対して、「飲めばすぐ効く魔法のクスリ」があれば、誰しも手に入れたくなるでしょう。これは冒頭の話に当てはめた場合、「あっという間に知識が身に付く、ウマイいやり方や道具」ということになりましょうか。
どういうわけか、現代の日本にはこうした「お手軽で画期的な方法や理論」がどこかにあるはずだ、という信仰があるらしく、それを証するかのように週刊誌の裏表紙には、「1週間で英語が身に付く!」なんて広告が、いつも掲載される仕儀となっています。この手の商品が未だに市場から駆逐される様子が見えない事から考えると、やはりそれだけの需要があるのでしょう。
しかしこれ、どこまで信用できるでしょうか。
好意的に推論してみると、こうした商品の理論はこういうことなのでしょう。
「…今現在行われている方法には、多くのムダがある。この商品は、そうしたムダな事をしないで、要点だけ飛び石づたいに進めるようになっているのだ。」
なるほど、確かにそういうことはあります。方針があさっての方角を向いていたり、回り道してよけいなことをする方法を採っている限り、どんなことでもなかなか成果は上がらないでしょう。しかし、こと知識を蓄えたり、技能を修得する場合は、要点だけ暗記したところで何にもなりません。やはり一定の作業をこなし、体に覚えさせる過程を経ないと、力を持たないのです。我が身に当てはめて考えてみましょう、たとえ東大医学部卒だからといって、大学出たての医者に、あなたの腹を開いて外科手術をやってもらおうと思いますか? それも単独で。
こうした願望は、たとえて言うなら「1階2階はいらないから、3階だけ建ててくれ」というようなものなのです。
冒頭の話に戻りますと、とにかく読むのです。できるだけ多く。時間がないですか? それならある時間だけでも読んでください。それも難しいですか? それなら体壊さない程度に、寝る時間削って読んでください。
あなたが例えば、「経済」と「金融」の意味の違いがわからない、というほどの現状ならば、おそらくとてもあせると思います。不安はもっともです。しかし何もしないで手をこまねいていたら、やはり知識は身に付かないままです。やるしか、ないんです。
ただし、それでもなお、採るべき方法というのはあります。本から知識を付けようと言う場合なら、それは本を「見る」のではなく、「読む」ことです。
ぼんやりとページをめくっていると、ずいぶん読み進めたはずなのに、内容はさっぱり頭に入らない、ということがあります。実はこれ、文字をただ「見」ているだけで、「読」んではいないのです。
本を読む、ということは、文字に書かれていることについて、自分なりに想像し続ける作業です。「首相はリヤドで行われる首脳会議のためサウジを訪れ、ファハド国王と2時間に渡って会見した。」と書いてあったら、小泉さんの顔、砂漠の中にある空港に降り立つ姿、アラブ風の民族衣装をまとった国王の姿を想像するのです。多少間違っていたってかまいません。重要なのは、「絵を描くように文を読む」ことなのです。
「興味のないことを想像する事なんてできないや」と思うかも知れません。しかしこれは逆なのです。「想像するからこそ興味がわく」のです。思い出してください、あなたの大切な人を好きになったのは、その人のことを思った、まさにその時からではなかったでしょうか。