就職転職・昇進昇格試験コラム7

就職試験・昇進昇格試験論文や作文の参考になるコラムです。

「何がトクか?」--就職活動最強の武器

  誰もが持っている、就職活動最強の武器は、「何がトクか?」と考えることです。これをここでは、理性、と呼ぶことにしましょう。
  刻々と変化する周りの状況の中で、普段人間は「どうしたいか?」を基準に行動を決定します。これは言い換えると、「今この瞬間、何をするのがもっとも気持ちいいか?」ということになります。
  もちろん、普通に生活している限りでは、このやり方は間違ってはいません。何を食べようかと思い煩う時間があったら、さっさと好きなものを食べた方がいいに決まっています。しかし、こと戦い--就職活動もまたまぎれもなく戦いです--においては、これは必ずしも当てはまらない、いやむしろ失敗を導くことが多いのです。
  単純な例を挙げましょう。履歴書を何通も書くのは、誰にとっても辛気くさい作業です。しかも、必ずこれが有効になる、とは限らないのですから、モチベーションが下がって当然です。その結果、ついつい手を抜き、見栄えの悪い履歴書を作ってしまうこともまた、よくある話です。
  しかしみなさん方ももうおわかりのように、これは決して「自分にとってトクになる行動」ではありません。今手を抜いたことによるメリット(もう眠れる、終えて気分がせいせいする)と、不採用になる確率が上がるリスクとどちらが大きいか?
  …言うまでもないことです。

  エントリーシートで自己分析をする、企業研究をする、書類を書く、面接に行く…就職活動とは、どれをとっても面倒くさいことの連続です。しかしそのどの場面においても、常にメリットとリスクをはかりにかけ、自分にとって得な行動を選び実行していくのです。
  理性を駆使する習慣がないと、これはなかなか実践できるものではありません。慣れない身には、あたかも長く続くガマン大会のようなものです。しかし勝ちたい、少なくとも勝つ確率を上げたいなら、これに従うほかはないでしょう。

  理性に従って行動するメリットには、「周りがよく見え、精神的な余裕ができる」ことも挙げられます。この例として、私自身のある転職活動を挙げましょう。
  まず、応募者がまとめて控え室に通されます。ここでもう戦闘開始です。ニコニコしながら他の応募者に話しかけ、たわいのない雑談を始めます。おおかたは表情を硬くし、なかなか話してくれません。実は私にしたところで、雑談なんぞしたい気分ではないのですが、そんなことより他者の情報を取った方がトクです。話に応じてくれないならそれもまた、「こいつはあがっているな」ということがわかりますし、自分を観察者の立場におくことで、たいへんリラックスできます。
  次に個別面接に入ります。リラックスした上でのことですから、何を聞かれてもすらすら答えられるのは言うまでもありません。
  続いて集団面接、戦闘本番です。お題が与えられて討論するのですが、先ほどの観察から、あがった連中から先にしゃべらせて、じっくり論破したほうがトクだ、との作戦がもうできあがっています。案の定、硬い表情をしていた者から勢いよく話し始めます。じっくり彼らの論を拝聴し、やがて破綻するのを待ちます。頃合いを見計らって話し始め(あくまでも、他者を引き立てるようにするのがコツです)、ゆっくりと代案を提示していきます。ここで噛み付いてくれたらしめたもの、あがっている上になんとか自説の正しさを証明しようと躍起になっていますから、どうしても傍目にはみっともなくなります。みっともない人材を、企業は採ろうとはしません。
  数時間後、私は携帯で友人に「勝ったぜ」と伝えました。翌日、採用通知が来たことは言うまでもありません。

  このように面接の現場でも、「何がトクか」を考えながら行動することには、大いなるメリットがあります。何を言われようと動じることなく、いやそうした鉄面皮を作り上げるためにも、理性は最大の武器なのです。

  そのときの感情や気分で対処することほど、勝利を遠ざけるものはありません。これが、就職活動の究極のポイントです。

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