就職転職・昇進昇格試験コラム12
就職試験・昇進昇格試験論文や作文の参考になるコラムです。
受講生への手紙──ビジネス論文お悩み相談(第1回)
いつもご利用頂き、誠にかたじけなく存じます。
さて、「どのように昇進試験の小論文を書けばいいか」「構成とか文章の作法はどうしたらいいか」とのご質問、承りました。添削の中で申し上げている事柄は、いわば象の体に付いている、たくさんの虫をどう取り除くかという話が、どうしても多くなってしまいます。ですからそのコメントを読んで、構成や文章作法が気になるのでしょう。これはもっともなことですが、今日は折角のご相談ですから、もっと根っこの話を申し上げましょう。
以下の話は、あくまで一つの考え方です。ですから、必ずしも適切ではないかも知れません。御社の風土では、当てはまらないことかも知れません。「こんな考え方もあるのかな」程度に、読んで頂ければ幸いです。
文章に必要なことをどんどん突き詰めていくと、たった2つのことでしかありません。
1つは、「誰かに伝えたい何事か」が自分の中にあること。
2つは、それをぜひともわかって欲しいという気持ち(読み手への配慮)。
ただ、これだけです。
まず、1つ目についてお話ししましょう。
文章を「書かされる」立場に立ってしまうと、なんと面倒なことかと、多くの人が思うでしょう。しかしこれはほとんどの場合、「言いたいこと」がないことが、原因なのです。
では、言いたいこととは何でしょう。
それは、自分が「こうしたい」「こうあって欲しい」という、願望です。
しかし、独りよがりの願望には、誰も耳を傾けません。それはつまり、「人に」話すべき価値のあることではないのです。では、人に話す価値のある願望とは何でしょう。それは、自分にとって「いいこと」であり、同時に相手にとっても「いいこと」です。これなら、誰でも聞きたがります。
しかし、これは「一見いい話」を書けばよい、ということではありません。
「一見いい話」とは、
例えば、毒にも薬にもならない原則論(子供たちの健康を守れ、というたぐいの話)、
実現しそうもない理想論(先進国が一斉に石油の使用をやめて環境を守ろう、のたぐい)、
さらにはたんなるおべんちゃら、などがそれにあたりますが、
これらの話は、話す価値がありそうで、実は全くないものなのです。
そうでない、話す価値のある話とは何でしょう。
それは、自分が普段からまじめに、突き詰めて考えている、「あなたにも、私にもいい話」です。まじめに考えるなら、どうやって実現すればいいかも考えるでしょう。本当に、自他共に役立つ話であるかどうかも考えるでしょう。考えた結果、実はくだらない話だと気づき、捨てざるを得ない場合もあるでしょう。
(つづく)