実用論文・作文のツボ-就職転職・昇進昇格試験のために(21)
過去のWIE実用論作文の添削コメントから、就職試験・昇進昇格試験論文や作文の参考になるものを集めました。
-評論家になってはいけない就職・昇進・昇格試験論文・作文の書き方
…この答案の最大の問題は2点あります。
1点目は、テーマの要求に応えていないことです。もう一度課題を読み直してください。
「不況の中、あなたはどのように会社の利益につながることを実践しているか。」
いかがでしょうか。太線部、「あなたは」今何を「しているか」ということです。つまり、「今後どうしたらいいか」とのことではなく、今何をしているか、今まで何をしてきたかが問われているのです。この課題を出題者、人事の視点に立って、その意図を想像してみますと、ここしばらくどのように働いてきたか、今どのように取り組みつつあるかを、現在進行形で報告せよ、とのことに他なりません。
従いましてこの視点に立ち、もう一度全文を書き改めるよう、お勧めいたします。
もう一点の問題は、当事者としての意識が、文面に表れていないことです。おそらく末文で、この意図を表現なさったとお考えかもしれませんが、文の大半が評論的に書かれているため、そのような印象は持たれないと存じます。つまり、第三者からの立場で、御社の業務や経営状態、業務実体を評論するのではなく、当事者、実践者として、今どのような問題を認識し、それに対していかなる対策を考え実行しているか、との意識が読みとれないのです。
答案文に付けました下線部をご覧下さい。「思われます」「聞かれます」との表現は、やはり当事者としての文とは受け取ってもらえないのではないでしょうか。また、「私たち」(なお一人称としての「私」の複数形は、「私ども」です)との表現は、課題で「あなたは」と指定されているのにも拘わらず、どこか責任を曖昧にしていると受け取られても仕方がありません。また、ご自身について問われているのですから、「私の職務」であるのは当たり前で、わざわざ述べるべきではありません。