合格者の添削例(北大編入学)

匿名希望さん 北海道大学法学部(志望理由書)

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全体のコメント

まずはじめに文字表記について。他者に読ませる文章の文字表記としては、あまりに粗雑で失格です。これは読み手のやる気を失わせるという重大な危険と共に、誤読される・誤字と判断されて減点されるリスクが大きいことを意味します。「ワードで提出する」とのことですからかまわないようなものですが、自筆しなければならない書類もあることでしょう。ですから手を抜かないで、読み手に配慮して、きれいではなくともせめて丁寧な文字で書きましょう。
次に内容について。主張したい事柄が、十分整理されているとは言えません。法曹を目指したきっかけは結構ですが、それならばなぜはじめから法学部に進まなかったのか、という疑問を持たれます。それを証するように、「入学後どうするか」との記述は非常に曖昧で、ありきたりでしかありません。「人の役に立てるよう」「幅広く知識を身に付けたい」というのは、何か言っているようで、実は何も言っていないに等しい記述です。

テキストにも書いておきましたが、何らかのきっかけがあって志望する以上、このようなありきたりの将来設計は、それほど志望の熱意がないことを表明するようなものなのです。
「一度は経済学部に進んだが、やはりそれでも法学部に進みたいと考えた」理由は何か、もっとつきつめて=自分を追い込んで考えてみて下さい。もちろん、外聞のよい理由ばかりではないでしょうが、それでもありきたりの事柄や、歯が浮くようなお世辞を書くより、よほど読み手の心をつかみます。一般的に言って人生のコースを変更する時、その理由を他者に説得するという作業が必要です。その際に効果的なのは、「これまでの立場や環境でがんばった。でもこのままでは限界が見えている。だから志望を変えた」との順序で説明することです。単に法学部ではない、法科大学院がないという理由だけでは、北大の先生も受け入れる気にはならないことでしょう。
また答案の☆印部分、「なぜ北大か」も適切ではありません。確かに北海道の自然はすばらしく、スケールも大きく(添削者もたびたび訪れています)、三浦先生の作品がきっかけになることもあり得ることです。しかし自然を褒め称えるだけでは、北海道「大学」を志望する理由としては弱いのです。なぜなら北大は学ぶところであって、アウトドアを楽しむ場ではないからです。その視点で答案から、北大ならではの事柄を抜き出してみると、「総合大学だから」「様々な学問」でしかありません。全国に総合大学はいくらでもあるわけですから、これでは「北大」を志望する理由にはならないのです。

以上から改善の方針は、
1.なぜ法学部を目指すかとのきっかけになった出来事を簡潔にする
2.それにもかかわらず、なぜ現在の大学・学部に進んだかの理由を、ごく簡潔に述べる
3.現在の大学・学部で学ぶ上での限界=なぜ志望を変えたかの理由を突き詰めて考え、他者が「なるほどもっともだ」と言ってくれるようなストーリーを考えて書く
4.北海道の自然に対する賛辞はごくごく簡潔に
5.多くの総合大学のなかから、なぜ北大かを突き詰めて考える。もちろんここでも、他者が「なるほどもっともだ」と言ってくれるようなストーリーを考えて書く
6.入学後どうするかを、1.~5.の事柄に関連させて考え、書く
となります。

こうした事柄を考えて書くのは、楽なことではありませんが、試験を突破するには、避けて通れない関門です。手抜きをすればするほど合格が遠のくことを忘れず、取り組んで下さい。


個別のコメント

それでは以下、個々の指摘です。
波線部:文字を丁寧に。
a・b:持って回った表現です。簡潔に述べることが出来るにもかかわらず、わざわざ無意味な記述を連ねるのは、文の印象を大きく損ないます。これは、本来書くべき自分の主張や意見、またその論証が足りないために、無用な言葉を入れておいただけ、との印象を読み手に与えかねません。書くべき事柄は必要なだけ書き、無くてもかまわない=文意が変化しない事柄は一切書かない、これは論作文の大原則なのです。
c:これは弁護士に限らず、ジャーナリストやNPOの一員でもできることです。それでもなお弁護士でなければならない理由は何でしょうか。
d:歯が浮くような、根拠のないお世辞は意味がないばかりでなく、印象を非常に悪くします。理由の1は、こうした言い回しはほとんどの読み手を不快にさせること、2は「私はあなたのことをよく調べもしていませんし、興味もありません」というのとほぼ同じだからです。
e:文脈がとぎれています。適切なつなぎの言葉(文法用語に言う「接続詞」だけではありません)を用いてくっつけることが必要です。観念(=「これを書こう」という思いつき)は他の観念と関連づけませんと、概念(=他の思いつきと結びつけられた、文中で取り上げたものごと)にはなりませんが、文もこれと同じで、おのおのの文が適切に結びつけられていなければ、文章にはなりません。従って、前の文あるいは段落と、後の文あるいは段落がどのような関係になっているかを、つなぎの言葉を用いて読み手にわかりやすく説明しなくてはならないのです。
例えば、「今日は快晴だ。収入印紙を買う」という2つの文は脈絡がなく、文章とは言えません。しかし、「今日は快晴だ。(先日申請したパスポートを受け取りに行くには都合が良いので、そのための)収入印紙を買う。」ならば、2つの文の関係が見えるようにつながっていますから、文章といえるのです。
このように、文同士、段落同士が適切につながって、一連の流れがあることを「文脈がつながっている」と言いますが、達意の文となるにはこの作業が不可欠なのです。


ご質問の件

英語が読めないというのは、おそらくは英文読解の知識がないからではなく、読み取った英語の意味を理解して、日本語の概念として再構築できない事にあると思います。
ですからまずは、高校の教科書を読み、倫理や公民、世界史などの知識を蓄えておいて下さい。また、それらがどのような関係性をもっているかについても把握しておきましょう。
その上で、入学試験に使われている英語長文読解の課題文にまとめて目を通しておき、その全訳を確認するという勉強をされるとよいでしょう。このとき、余力があれば、以下の学習方法にも挑戦してみて下さい。まず、英文だけを読み、パラグラフごとの内容を把握しながら大意を書き出します。次に、その全訳を参照しながら、先に書き出しておいた大意の内容を確認します。このとき、解釈を誤った語については、この場合の意味を覚えておくとともに、辞書も引き、なぜこうした訳になったのかを確認しておいてください。
この作業を続けていれば、英文読解の時間はかなり短くなるはずです。

以上です。


上記コメントを参考にして答案を修正し、再提出して下さい。

西早稲田教育研究所
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担当太田 玲

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