志望理由書など事前提出書類で行き詰まっている方へ

 今回は「志望理由書の書き方」に関する記事です。まずはじめに、「何を書いたら良いのか」と悩む方にむけ二つのトピックを紹介し、次に事前提出書類で「落ちる人」の共通点について紹介いたします。

志望理由書の書き方

1)「やりたいことがない」状態からの志望理由書の作り方【自己分析で詰まっている方へ】

 「特に将来の夢がない」「やりたいことが見つからない」……。そんな状態で志望理由書を書かなければならないのは、苦行ですよね。しかし、やりたいことは「見つける」ものではなく、今ある材料から「編み出す」ものです。
以下の3ステップを試してみてください。

①「不満」や「違和感」を書き出す
  やりたいことがなくても、「これっておかしくない?」「もっとこうなればいいのに」と思うことはあるはずです。ニュースを見て感じたモヤモヤ、日常生活の不便さ。その「負の感情」こそが、学問の出発点になります。

②自分の「得意」ではなく「苦にならないこと」を探す
 特別な才能は不要です。「つい長時間やってしまうこと」「人より少しだけ丁寧にできること」をリストアップし、それを解決したい「違和感」と結びつけます。

③「仮」のゴールを設定する
一生の仕事を決めるわけではありません。「大学4年間でこの問題に決着をつける」という期間限定のゴールを設定し、そのために必要な環境を逆算して志望理由に落とし込みます。

「やりたいことがない」のは、あなたが真面目に考えすぎている証拠です。まずは身近な「違和感」を言語化することから始めましょう。


2)「良い経験」と「語れる経験」は違う【活動実績に自信がない方へ】

 「全国大会に出た」「留学した」「生徒会長をやった」。こうしたキラキラした「良い経験」がないと合格できないと思っていませんか?
 断言しますが、添削者の視点から見ると、「良い経験」よりも「語れる経験」の方が圧倒的に価値があります。

「良い経験」: 結果や肩書きがすごいもの。他人と比較して優位に立つための素材。
「語れる経験」: その経験を通じて、自分の価値観がどう揺さぶられ、どう行動が変わったかを説明できるもの。

 例えば、「ボランティアで100人を集めた」という結果だけを誇る文章よりも、「ボランティアで一人も集まらなかった時に、自分のコミュニケーションの何に問題があると考え、次にどう動いたか」を綴った文章の方が、大学側は「この学生は自省し、学ぶ力がある」と判断します。
 派手な実績は不要です。日常の小さな失敗や成功の中に、あなただけの「思考のプロセス」が眠っています。それを見つけ出し、丁寧に言葉にしましょう。その道筋を作る手助けをするのが、私たち添削者の役割です。

 

志望理由書で「落ちる人」の共通点10選

 志望理由書は「熱意があれば通る」と思われがちですが、実は明確な不合格のサインが存在します。ここからは、数千通の添削を通して見えてきた、残念ながら「落ちる人」の共通点を10個に絞ってお伝えします。

① 「学びたい」ばかりで「貢献」の視点がない:大学はカルチャースクールではありません。学んだ先にどう社会に還元するかが見えないと評価は低くなります。

② パンフレットの文言を丸写し:「貴校のカリキュラムに惹かれ……」といった、どこにでも使い回せる表現は、採点者に見透かされます。

③ 自分の過去(実績)の自慢に終始している:志望理由書は「過去の報告書」ではなく「未来の計画書」であるべきです。過去の経験から、どのようなことを大学で学びたいと考えたのかを書くべきです。

④ 「なぜこの大学なのか」の根拠が薄い:「家から近い」「有名だから」は論外ですが、「他大学でもできること」を挙げている場合も危険です。それに伴い、プログラムやカリキュラムデザイン、授業名などについては、志望する大学が用いている固有名をあげましょう。

⑤ 教授の名前を出すだけで終わっている:特定の教授に触れるなら、その研究のどこに共感し、自分はどう関わりたいのか、具体的に踏み込む必要があります。

⑥ 文章のねじれ、誤字脱字が多い:内容以前の問題ですが、基礎的な文章力が欠如していると「学問への誠実さ」を疑われます。

⑦ 「将来の夢」と「学び」がリンクしていない: 弁護士になりたいのに、法学部の特定のゼミでの活動に全く触れていないなど。

⑧ 抽象的な言葉(グローバル、感性、成長など)を連発する:具体的なエピソードがない抽象語は、何も言っていないのと同じです。

⑨ 「教えてもらう」という受け身の姿勢: 大学は自ら探求する場所です。「○○を教えてくれるから」という表現は避けましょう。

⑩ 自分で読み返していない(論理の飛躍):結論と根拠が繋がっていない文章は、読み手を疲れさせ、評価を下げます。

 自分の文章がこの10点に当てはまっていないか、セルフチェックをしてみましょう。

 WIEでは、志望理由書などの事前提出書類の添削は「問題持込小論文添削」を、あるいは入門小論文講座とセットになった「推薦・総合型選抜/志望理由書対策」をご利用いただけます。

2026年10月28日