卒論を始めとする学術論文執筆時に、AIを用いることのメリットとデメリットを考えてみましょう。
整理やまとめには有効
AIは、現在の大まかな研究状況や、定説の整理には有効です。たとえば、AIは適切な先行文献を提示するには役立つことがありますし、先行研究における定説を把握するにも便利です。さらに、日本語表現のチェックにも役立つといえます。執筆者独自の考察や主張・見解を含まない調査報告(レポート)の作成であれば、かなりのところまでAIに任せることは可能でしょう。
独自の視点による分析や考察、主張や見解の提示は苦手
しかし、卒業論文には、独自の視点が必要となります。AIはそのような書き手独自の主張を提示することはできません。無理にこうした独自の主張を提示させようとすると、誤っているのにつじつまだけ合わせた、「トンデモ」論文を出力してしまいかねません。また、実在しない先行文献を提示してしまうことがあります。これは、大学教員の中で大きな問題になっており、こうしたミスをしてしまうと、その時点で単位の剥奪となってしまうでしょう。
AIの限界を、ここであらためて確認しておきましょう。
① AIは、過去のデータから多数決原理や論理的な整合性にしたがって事象を整理するには大きな力を発揮します。
② しかし、新しいテーゼの提示や、課題の新しい解決法の発見をするにはほとんど役に立ちません。
③ 卒業論文に必要なこうしたテーゼをAIに出力させるには、結局のところ使用者による調査方法・調査対象を適切に限定することが必要になります。すなわち、AIを使用する使用者の能力が結局必要となります。
④ そうした適切な限定が、しっかり整合的なものか、適切なものであるかについては、信頼できる添削者に見てもらう必要があります。
WIEがお役に立てること
以上のことから、卒論の執筆には信頼できる添削者を選ばなければなりません。卒論コースは、何度もやりとりをしながら、テーゼや調査方法をていねいに選定しながら、卒論の基礎的なところから、完成までしっかりと寄り添います。