東京学芸大学小論文講座(一般)

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お待たせしました。2026年版(2027年入学者選抜)を開講しました。
高3の春休み~1学期は入門小論文の受講をおすすめします。
合否報告をいただいた2024年度受験生の合格率は88%、2023年度は75%、2022年度は100%、2021年度は100%です。

使用教材・添削回数などの概要はこちら

開講講座と料金・お申込

講座名:東京学芸大学小論文講座(一般) 添削問題数 料金 お申込
A類現代教育実践コース学校教育:前期 3年分 ¥27,500
A類現代教育実践コース環境教育:前期 3年分 ¥27,500
A・B類国語:前期 3年分 ¥27,500
A・B類家庭:前期 3年分 ¥53,600
A・B類社会:前期 3年分 ¥27,500
A・B類理科:前期 3年分 ¥27,500
A・B類数学:前期 3年分 ¥34,100
A類美術:前期 3年分 ¥53,600
B類美術:前期 3年分 ¥53,600
B類書道:前期 2年分 ¥18,800
C類特別支援教育:前期 3年分 ¥27,500
D類養護教育:前期 3年分 ¥53,600
E類表現教育:前期 3年分 ¥27,500
E類多文化共生:前期 3年分 ¥53,600
E類ソーシャルワーク:前期 3年分 ¥27,500
E類生涯学習:前期 3年分 ¥44,900
上記以外の応募書類・提出書類の添削     こちら

B類美術:前期の実技(デッサン)は添削対象外です。

・お申込メールをWIEで受信しますと、自動返信でお振込先等をご案内いたします。
 (自動返信が届かない場合の対処方法は、こちらの「自動返信メールが届きません」をご確認ください。)

・お申込の際は、通販法表記を必ずご確認下さい。

・リストにない学部学科の添削を希望される方や、大学別講座の受付終了後に添削を希望される方は、次の 方法で対応しております。
  ●添削を受けたい過去問(課題)をお持ちの方:問題持込小論文
  ●過去問(課題)の入手と添削を依頼したい方:問題手配依頼小論文  

・現時点での実力を知った上で受講講座を決めたい方のために、実力診断を行っています。
 詳しくはこちら

上記講座から1つ選びレジ画面備考欄に記入 WIEが選定した過去問1年分 ¥6,000

高校2年生の方など、基礎学習を希望される方は、入門小論文講座を受講されるか、自習用教材のご利用をお勧めします。
昨年度の実績では、「入門小論文」を受講してから大学別講座を受講された方の合格率は、大学別講座だけを受講された方よりも、10%から20%高くなっています。

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※最新2年分の合格者のコメント・体験記(全大学)は合格実績/合格体験記内にあります。

添削主任より:東京学芸大学を志望される皆さんへ

 東京学芸大学前期日程入試では、多くの選修・専攻で、小論文試験が行われます。どの問題もよく研究された良問です。高校で学習する内容が正しく身についているか、あるいは各選修・専攻と関連の深い分野に関する考察ができるかを問うものです。ただ、良問だけに、事前に十分な対策をしているか否かで、大きく得点に差が生じます。

 出題形式は、数頁程度の課題文を読ませ、その内容を400字程度で書く設問と、解答者の考えを600字程度で述べる設問との組み合わせ、というのが一番多くなっています。A類学校教育・C類特別支援教育およびE類の各コースが、この出題形式を採用しています。しかし、A類の国際教育やDの養護教育のように、課題文がない、あるいはあってもごく短いという出題もあります。ただ、こうした課題文がない、あるいはあっても極端に短い出題の場合でも、設問の重要概念(語句)に対する知識が必要になるなど、課題文ありの場合より易しいとは言えません。いずれも他の選修・専攻と難易度に大きな差がないように調整されています。

 また、課題文ではなく図表が与えられる場合もあります。A・B類の家庭科がこの形式ですが、過去には他の選修・専攻でも図表が出題されたことがあります。

 以上簡単に見てきましたように、東京学芸大学では、選修・専攻によって、それぞれ特色のある出題がされています。しかし、各選修・専攻の出題傾向には、例年大きな変化はありません。したがって、過去問演習をしておきますと、非常に有利になるといえます。

この講座の添削例(クリックで詳細を表示します)

A・B類家庭2020年度入試

 今回から添削を担当する児玉です。よろしくお願いします。
 まずは今回の問題全体について見てみましょう。今回の問題は、課題文を読ませ、それについて解答者に答えさせるという形式です。このような課題文型の問題では、課題文との間でいかに適切な対話を行うことができるかが重要となります。つまり、課題文を議論の相手とみなし、課題文の主張を解答者なりにまとめ、それに対して解答者はどのような立場を取るのか(課題文の主張に賛成・反対・一部賛成など)、そしてそのような立場の根拠として何が挙げられるのか、こういった要素が答案に含まれることが必要となるのです。口頭での議論を想像して貰えれば分かると思いますが、議論を行う際、議論の相手の意見を無視し、解答者自身の意見がひとりよがりなものとなってしまっては、議論が成立しません。まずは相手の意見を良く汲み取り、それを土台として自身の考えを展開することが必要となってくるのです。課題文が存在する小論文でも同様で、課題文の内容を土台にしてはじめて合格水準の答案を作成することが可能となります。この、課題文相手の議論という点には、今後も十分注意を払って下さい。
 問題全体については以上として、以下では問ごとに答案に沿って添削をおこなっていきます。なお、アルファベット記号(ABC…)は、答案と添削とで対応しています。

問1
 課題文の内容を踏まえて、解答者自身の見解を示す問題です。設問文にもあるように、まずは公民館の特徴を課題文から抽出し、そこから導かれる公民館の学習の在り方を示して下さい。

(添削コメント)
________________________________________
A:解答者の考えを端的に述べている段落です。今回のように、答案の最初に解答者の考えを端的に示しておくことは、読み手の理解を促す上で大変有効です。今回の解答者の主張は主に、「地域社会運営の中心であるべき」点、「無料」であるべき点、「住民が誰でも行うことができ」るべき点の三つとなります。後の二つは課題文では直接に触れられていませんが、最初の点は課題文全体の主張と重なっています。このように課題文の内容を答案で取り上げる際には、必ず「課題文が述べているように~」などといった表現で、その箇所が課題文から引いてきた内容であることを示す必要があります。このようにしないと、どこからどこまでが課題文の内容で、どこからどこまでが解答者の考えなのかを読み手は判断できず、大変混乱した読解を招いてしまいます。まずは、課題文で述べられている公民館での学習の特徴をまとめてみましょう。特に課題文の第二段落では、学習の特徴が端的に述べられていますので、この箇所を中心に参照すると良いでしょう。合意形成や公共性への気付き、協力者の育成や持続的な展開といった点が重要になるかと思われます。また、4ページの課題文の内容からは、公民館の活動が多岐にわたる点も読み取れるかと思います。これらのように、まず公民館での学習について、課題文からその特徴を抽出してみてください。その上で、解答者の考えを示すと良いでしょう。
B:解答者自身の経験を具体例として述べている段落です。このように解答者の経験を答案に盛り込むことは、答案の説得力を増すために、大変有効です。通信欄にはこれらの経験が大学時代のものであるため嘘と判断されるのではないかという懸念が述べられていますが、その点は心配ないでしょう。あまりにも荒唐無稽な内容でない限り、読み手はその内容が嘘であるかどうかよりも、答案全体の文脈と合致しているかどうかを重視します。つまり、答案における解答者の主張を十分に支えるような根拠として具体例が提示されているのであれば、問題ないということです。そのような視点から今回の具体例を読んでみますと、内容自体は設問の問いかけとも合致しており、大きな問題はありません。しかし、公民館の利用が無料であるべきであるという解答者の主張とは、残念ながら直接的な関係を持っていないように思われます。例えば学習会を有料で行っていた時は参加者が少なく町にとって重要な課題を見つけ出すことが難しかったが、学習会を無料で行ったところより幅広い層から意見を募ることが可能となり、これまで見落とされていた意見に公共性を見いだせるようになった、といった具体例であれば、今回の解答者の主張と合致する具体例であると言えるでしょう。このように、具体例を挿入する場合には、それが主張と適切に噛み合っているかどうかが大切なのです。
C:この段落は、「誰でも参加できる」という公民館での学習の利点が「地域の人同士のつながり」につながる、といった主張を述べている段落です。しかし、特に具体例もなく、課題文の内容にも触れていないため、少々説得力に欠ける内容となっています。このような点を解決するためにも、やはりまずは、課題文の内容をまとめた上で、解答者なりの見解を述べるという順序をとったほうが良いでしょう。
________________________________________
 問1についての添削は以上です。主張から具体例へ持っていくという構成をとることが出来ている点など、解答者が小論文作成の基礎的な技術を持っていることがうかがわれる答案です。国語表現についても、ほぼ指摘すべき箇所はなく、解答者の高い表現能力が示されています。しかし、上でも何度か述べたように、課題文との対応が出来ていないため、議論としてほぼ成立していない内容になってしまっています。まずは、公民館での学習について課題文がどのように述べているのかを要約し、その上で学習のあるべき姿を解答者なりに提示しましょう。

問2
 課題文や問1の答案を踏まえて、解答者の知識から具体例を提示する問題です。解答者の知識が主に問われていますが、さらにその具体例における成果や課題が問1の内容にも結びついていると、なお良いでしょう。例えば、ここで挙げる具体例の成果が、「住民が無料で参加できること」によって達成されたことが示せれば、問1との間の一貫性を示すことになります。課題文と各問をバラバラに扱うのではなく、緊密に結びついた形で提示することが重要なのです。

(添削コメント)
________________________________________
A:鉤括弧が行の最初に来る場合には、その鉤括弧を前の行の最後のマスに挿入して下さい。これは原稿用紙を使用する際の規則となります。
B:少々細かな点となりますが、「自己学習で」よりも「自己学習として」としたほうが正確な表現だと思われます。
C:「~たり」という表現は、二つ以上連続する場合にのみ使用可能な表現です。ここでは一度のみの使用となっていますので、「質問をし」などと修正し、「たり」を避けた表現を用いると良いでしょう。
D:ここまで具体例について現在形で述べてきましたので、この箇所も「行われる。」と現在形で表現すべきでしょう。表現に一貫性をもたせることで、読みやすさが向上します。
E:表現が不自然な文です。末尾の「人もいる」を削除すると良いでしょう。主語と述語がきちんと対応しているかどうかには、常に気を配って下さい。
F:基本的に小論文は解答者の考えを提示する場なので、わざわざ「~と考える」といった表現を挿入する必要はありません。他人や課題文の考えと解答者自身の考えを適切に区別する必要がある場合などを除いて、こういった表現は避けましょう。字数の節約にもなります。
________________________________________
 問2についての添削は以上です。具体例の提示、そしてその成果と課題を示すことが出来ており、設問の要求に対して適切に応えている答案だと言えます。一部表現に修正可能な点はありますが、構成全体としてはすでに問題のない答案だと言えるでしょう。上でも述べたように、出来れば問1との結びつきが欲しいところですが、そもそも問1の構成が固まっていない初回の時点では、これも難しかったかと思います。再提出時は主に問1に注力してください。

 今回の添削は以上となります。繰り返しになりますが、課題文のある問題では、課題文との間でいかに議論を行うかが焦点となります。課題文はどういったことを主張しており、解答者はそれらの主張に対してどのように応えるのか、こういった点を意識して、問1を再構成してみてください。

E類生涯学習2020年度入試

東京学芸大学の講座を担当する西田です。よろしくお願いいたします。
 
 最初に通信欄でいただいたご質問から考えて参りましょう。
*自分の実体験や、人から聞いた話や、新聞やニュースでみたことを、書いた方がいいのでしょうか?
 これは、第一義的には設問の要求によって決まります。
①書いてはいけない場合
 「次の文章を要約しなさい」「図表から読み取れることを述べなさい」……
 課題文や資料の内容把握=要約だけを設問が要求しているのですから、それ以外の要素は減点の対象になります。課題文や資料にないご自身の「実体験」など書きますと、「課題文(資料)が読めていない・誤読している、と判断されるからです。
②書かなければいかない場合
 「~について課題文以外の事例を挙げながら……」「~あなたの高校時代の経験をふまえ……」
 このような設問の要求に関しては、課題文以外の材料を用意する必要があります。なかでも、「あなたの体験」を要求する設問に対しては、マスコミなどの伝聞ではなく、解答者自身の体験を書く必要があります。
③必要があれば書く場合
 「~に関するあなたの考えを述べなさい」「~について論じなさい」
 これについては、お送りした教材の『小論文標準テキスト』でも触れていますので、併せて参照してください。こうした要求に対しては、制限字数の多少に関わらず(小)論文を書くことになります。そして小論文には、次の2つの要素が必要不可欠です。
①書き手の主張・見解:これは、命題(AはBである/ではない)の形を取ります
②論証:①の命題を読者(採点者)に同意・納得してもらうための説明
 この②に関しては大きく二つの方法があります。1)①と考えた思考の筋道を説明する。2)①が妥当する事例(論拠)を示す。この②の2)の方法をとりますと、事例として「実体験や、人から聞いた話や、新聞やニュースでみたこと」が必要になる場合があります。
 なお、多くの場合に②では、1)2)二つの方法を混合して論証していきます。ただ、まれにですが課題文の事例を材料にして、課題文の考え方の誤りを指摘することで、解答者の主張・見解が正しいことを論証できる場合もあります。このような場合には、課題文以外の材料は不要ですから、「実体験や、人から聞いた話や、新聞やニュースでみたこと」は書かなくてもよいことになります。
 なお、実際には設問文をよく吟味しませんと、設問の要求を誤解し、必要なことを書かなかったり、逆に解答とは無関係なことを書いてしまったりすることになります。「実体験や、人から聞いた話や、新聞やニュースでみたこと」を書く必要があるのかないのか、まずは設問文を丁寧に読んでください。
*回答用紙の、問1、問2などと書かれている、行から書き始めてもいいのでしょうか?
 出題側が特に指定していませんので、問題番号の書かれている行から書き出しても、大きな減点にはならないでしょう。
 ただ、設問の要求・資料の内容からみて、答案が複数の段落になる場合が多いと思われます。そうしますと、冒頭の1字空けなど段落の形式を統一するためには、問題番号のない2行目から書き始める方が良いでしょう。今回の書き方が良い、という結論になります。

*グラフを読み取る問題では、文末を、
〜とわかる、〜と読み取れる、
とするのと、
〜だと、言い切ってしまうのと、どちらがよいのでしょうか?
 結論から申しますと、どちらでも構いません。文芸作品ではありませんので、正確な表現でさえあれば、同じ語の繰り返しなどがあっても特に採点に影響しません。ただ、私なりに適切と思われる表現があれば、適宜紹介いたします。
以上、簡単ですが通信欄でいただいたご質問のお答えとさせていただきま


 ここからは、過去問に即していきます。お送りした教材の掲載順とは逆に、出題年度の新しいものから挑戦して頂きました。これでも構いませんが、出題年度の古いものであれば、これまでの添削例と、実際の合否結果を踏まえた指導ができます。しかし、最新年度の答案は添削数も少なく、また合否実績がありません。そのため、正確な合否の可能性を述べられなくなります。予めご承知おきください。

 ここからは、今回の答案を見ていきましょう。出題傾向の分析は、教材をお読みいただくことにして深入りしません。二つの大問から構成され、それぞれ教科としての家庭科に即したものになっている出題形式は、ここ数年安定しています。ただし、Ⅰは家庭科でも触れますが、公民科で取り上げることの方が多いかもしれません。
 さて、お送りいただいた答案は、誤字脱字や主語述語の不適応といった問題は少なく、解答者の国語力は十分だと申せます。さらに、設問の要求に基本的には沿った解答となっています。これを無視した、いわば見当違いの答案も少なくありませんので、この点は高く評価できます。
 また、答案の分量も妥当なものと申せます。AB類家庭科の出題は、制限字数を明示していないのですが、各大問で1000字程度、全体として2000字程度にすることをWIEではお勧めしています。これ以上の字数ですと、個人差はあるものの制限時間以内に完成しない可能性が高くなります。一方、各大問の答案字数が500字未満ですと、設問の要求に対応した内容にはならないと思われます。今回の答案字数を、実際の試験でも目安にするとよいでしょう。
 以上のように、大枠としては適切な回答となっていますが、課題文(資料)の読解を誤ったり、概念の関係付け=論旨の構成に失敗したりしています。もっとも、初めての過去問挑戦ではやむを得ないことではありますが、致命的なミスとなっている箇所も散見されます。
 以上から、昨年までの受講生で、めでたく合格された方がこの段階で提出された答案と比べて、平均的な水準と申せます。ただし、本年の出題に関する添削例が少ないですので、この印象の精度は、余り高くありません。19年以前の過去問に対する添削では、もう少し確度の高い判断ができると思います。

 では、ここからは小問ごとの検討に移りましょう。
 答案に対するコメントは、小問ごとに添削本文の後にまとめてあります。ABC……、abc……の記号は、答案のものと対応しています。なお、特にコメントのない修正は、単純な語句の誤りや、分量調整のためのものです。



 家庭科の中でも社会生活分野からの出題であり、公民科(政治経済・倫理・現代社会)共関連の深い分野ですね。また、図表の読み取りが課されますので、この成否が大きく得点に影響します。

問1
 図表の読み取り問題ですので、文章読解=要約問題と同じく、解答者の主張や見解はもとより、独自の解釈などを書きますと、大きく減点されることになります。しかし、図表が対象ですので、解答者独自で文章化する必要があります。そのときでも図表内で使用されている概念は、原則としてそのまま用います。これを断りなく言い換えたりしますと、図表にない概念を読み取ったことになりますので、致命的な減点につながります。
 今回の答案では、正確な読解ができており、大きな見落としはありません。初回提出からギリギリですが合格圏です。ギリギリと申しましたのは、致命的な減点にはならないももの、改善の余地がありますので、できるだけ細かく指摘して参ります。

(添削コメント)
A:あって誤りではありませんが、設問の要求を答案の中で繰り返す必要はないでしょう。
a:受験テクニック的な指摘になりますが、設問文・課題文の重要概念はできるだけそのまま使用するのが、設問の要求に的確に応えるコツといえます。
B:「圧倒的」という判断・評価をしますと、それが正しいかどうか、論証しなければなりません。しかもこの論証は、「読み取れること」ではなく、読み取ったデータ委に対する解答者の解釈となりますので、設問の要求に反します。
 口頭での会話なら問題にならないでしょうが、文章の場合には多少の減点につながります。
C:不正確な表現です。
1)図1も3%、図2も3%とということなのか、両者で差があるが平均すれば3%なのか、現在の記述では判断できません。図1・2それぞれの値を明確に示しましょう。
2)50%から、3%値が低下して47%になったのか、50%の3%=1.5%減少して48.5%になったのか分かりません。一般に前者のような場合には、「3ポイント」減少・増加という表現をします。
 以上の1)2)に関して、誤解の余地がないようにしてください。
D:Bと同様の問題です。何年から「近年」と判断したのか、不明です。他の箇所でもいえることですが、「○○年から××%となっている」など、具体的なデータを挙げる方が良い場合もあります。
 以上のコメントを参考にして、再提出をしてください。


問2
 こちらは、「考察せよ」とありますので、解答者の主張・見解が要求されています。なお、図1・2の内容理解が前提になっていますが、これは既に問1で行った作業です。したがって、そちらとの重複を考慮する必要があります。
 現在の答案は、こうした設問の要求を大枠では正しく把握しています。しかし、問一との重複が見られるとともに、「考察」の材料(論拠)が不十分です。特に、「家計」の前提になる「世帯」のあり方が無視されています。そのため、設問の要求に十分に応えておらず、あと一歩ではありますが、合格圏とは申せません。
 また、図表の読み取りにも致命的なミスはありません。しかし、育児(介護)休業制度に関する知識が不正確であり、またそれに関して設問の要求する「家事や育児」のうち、家事については十分議論できていません。そのため、後一歩ですが合格圏とは申せません。
 上の点を中心に改善を考えて参ります。

(添削コメント)
A:既に問1で解答した内容です。制限字数がありませんので、これを書く減点になるとまでは申しませんが、不要な記述です。制限時間のある入試答案ですから、割愛する方が良いでしょう。
 なお、課題文(図表)との関係を明確にする必要がある場合には、「問1で見たように」といった形にする方法もあります。
B:この判断には、論拠が必要です。非正規雇用でも、特殊技能を持つことで、高額な収入を得ることも可能でしょう。ですから、このような考察をするには、次のような条件を指摘する必要があります。
①同一労働であっても、単位時間あたりの賃金(時給)が、非正規雇用者の方が正規雇用者より低い。
②非正規雇用者はパートタイムが多く、フルタイムの正規雇用者よりも労働時間が短い。
 これらに関しては、「新聞やニュースでみたこと」かもしれませんが、それ以前に高校の授業で学習していることですね。こうした知識を用いた「考察」をした上で、現在の答案にある関係を指摘してください。
 なお、②とも関係しますが、雇用期間が短いだけではなく、不安定といったことも指摘できるでしょう。企業側の都合で、繁忙期には正規雇用者と同程度の勤務時間を要求される一方、閑散期には大幅に削減されたり、雇用契約を解消されることもありますね。③としてこの不安定さを挙げても良いでしょう。
C:接続の言葉(文法上の接続詞に限りません)の使用には注意が必要です。「また」は、前文と後文が相互に独立した内容が併置の形になる場合ですね。現在の記述では、*で「家計」という概念を使っていますので、この「また」以降は、「家計」ではない独立した内容となります。そのため、これ以降のD部分は、形式の上でも設問の要求と無関係な、いわば蛇足と言うことになります。
 Dの改善と合わせ、不要な接続の言葉を用いないことも含め、再検討してください。
D:**および***は、婚姻関係にある事を前提にしています。しかし、「家計」の単位になる「世帯」は、こうした夫婦とその子供といった形式だけではありません。
 たとえば、親子同居世帯で、本人が子である場合なら、収入が少なく不安定なために女性の方が独立が難しい、ということがあるかもしれません。また親離れした単身世帯では、男性よりも経済的に苦しく、不安定ですね。本人同士が夫婦である世帯では、男性が主たる稼ぎ手で、女性が補助的な立場になるでしょう。
 特に近年注目されているのは、ひとり親家庭の問題です。このような世帯では、母子家庭=女性が家計収入の担い手である方が、父子家庭=男性が家計収入の担い手である場合より、経済的に苦しく、不安定になりがちですね。
 以上、「世帯」の形を思いつくままに挙げてみましたが、高校で学習した内容を活用して、「世帯」による「家計」のあり方を踏まえて「考察」してください。
E:書くと減点になるとは申せませんが、Dで挙げたさまざまな「家計」のあり方の一類型でしかなく、取り上げなくても全体の論旨に大きな影響はありません。
 逆に、Dでひとり親家庭の抱える問題の深刻さを指摘したのであれば、ここでひとり親以外の事例を挙げるのは、論拠として不適切であり、論旨の不整合と判断されかねません。Dの改善結果と併せて、この部分の位置づけを考えましょう。
 なお、受験テクニック的に申しますと、B・Dの改善で大幅に字数が増加しますので、ここで具体例にまで言及する余裕がなくなると思われます。その場合には、思い切ってこの部分を割愛しましょう。
 以上のコメントを参考にして、再提出をしてください。まだこの年度の提出答案が少ないので、確かなことは申せませんが、このⅠの2は難問なのかも知れません。



 Ⅰ同様、図表の読み取りであること、また高齢化は公民科など他教科とも関連する点で、Ⅰと共通する問題が多いと言えます。ただ、「高齢者が生活するうえで」という個人の生活・福祉分野に関する内容であり、Ⅰよりも家庭科固有の性格が強い出題と言えそうです。
問1
 Ⅰの問1同様、グラフの読解=内容把握が問われています。ただ、こちらは「わかること」としています。「読み取れること」と大きな違いはありませんが、凡例に6つ項目が挙げられているように、グラフの内容が複雑です。そのため、各項目の推移を見るだけではなく、その相互関係も指摘することになります。この点で単にデータを「読み取」るだけではなく、そこから相互関係を「わかること」を要求しているのです。
 現在の答案は、こうした点をほぼ満たしています。しかし、「わかること」ではない内容まで書かれており、残念ながら合格圏とは申せません。

(添削コメント)
A:Ⅰの問1Cで指摘しましたように、このような場合には、21.5「ポイント」とするべきです。なお、「○年の%から、●年の△%に上昇し」といった具体的な数値データを挙げる方法もあります。
B:3カ所ともAと同様の問題です。ここも具体的な数値を挙げる方が良いでしょう。例えば、同じ「倍増」でも、40%から80%になったのと、0.1%から0.2%になったのでは、位置づけが大きく異なるでしょう。
C:接続の言葉が不正確です。「というのも」というのは、前文で示した判断・見解に対して、後文がその理由・論拠になっている場合です。
 ここでの前段落の内容との関係は、どうなっているのでしょうか。前段落でみた推移と独立した同格の内容であるなら「また」「さらに」といった接続語になるでしょう。あるいは、前文の内容の相互関係などから「わかること」を挙げたのであれば、「以上より」「ここから」といった接続後になるでしょう。これ以外の関係であれば、それに対応する接続の言葉を考えてください。
D:Cと関連して、第1段落との関係を考えましょう。
 例えば、グラフ全体の動向(単独世帯の増加・夫婦のみ世帯の増加・三世代同居の減少・高齢者のいる世帯の比率上昇……)を列記する部分(①)と、その動向を分析する部分(②)です。①で三世代同居が、2016年時点で全体数の1割強に過ぎません(2,699世帯/24,165世帯)。一方、「65才以上の者がいる世帯」の割合が、48.1%ですね。ここから、「65才以上の者」の多くが、どのような世帯に属するか、推定できる=わかるでしょう。第1段落で①のデータ読み取りを、第2段落で②の①から「わかること」を書く、といった構成が考えられます。
E:今回、合格圏とならなかった最大の理由です。高齢者以外の単独世帯も当然ありますので、「高齢者の単独世帯」が4倍になったという判断はできないと思います。若い独身者が親元から独立しても、「単独世帯」は増加しますね。
 ここは、Dを参考にして、グラフから読み取れるデータを慎重に検討しましょう。
 以上のコメントを参考にして、再提出をしてください。


問2
 「理由・改善策」という、グラフには存在しない内容を要求されています。Ⅰの問2同様、解答者独自の知識を用いて、主張・見解を述べることになりますね。
 現在の答案は、こうした設問の要求に沿おうとしてはいます。しかし、問1では「説明した結果を踏まえ」ていない箇所があります。また、概念の関係付け=論旨の個性にも不適切な箇所があります。したがいまして、あと一歩ではありますが、合格圏とは申せません。

(添削コメント)
A:Ⅰの問1Aと同じです。設問の要求と対応していることは大切ですが、だからといって設問の内容をそのまま答案で復唱する必要はありません。
B:Aと関連しますが、設問文重要概念=議論を要求している論点は、答案でもできるだけそのまま使用しましょう。このことで、答案と設問文と対応が明確になります。
C:高齢者だけの夫婦であれば、「孤立」とは言えないでしょう。また、かつての村社会のように、地域の人が個人やその家庭の問題にむやみに介入することが良いとも言えません。
 問題になるような「孤立」とは何なのか、まずは考えましょう。よく言われるのは、心身の不調に気づいてもらえず孤独死する、避難場所・避難情報などが伝わらずに逃げ遅れる、行政サービスを知る機会が少なく役立つ制度があっても利用できない……などが挙げられるでしょう。もちろん、話し相手がいない、といった精神的・心理的な苦痛もあるかもしれません。
 ただ、孤独死などは高齢者の「単独世帯」では深刻な問題ですが、「高齢者だけの夫婦」には起こらないでしょう。世帯のあり方と「課題」の関係を性格に考える必要があります。
D:地域社会の協力以外にも、自治体職員による戸別訪問の充実など、「改善策」はあり得ます。しかし、多くの自治体は財政事情が厳しく、こうした対応ができないという「理由」があるので、「地域社会」の協力という「改善策」が必要だ、といった議論ができるでしょう。
E:誤りとは申せませんが、「孤立」との対比を考えますと、不適切です。「買い物に行けない」のは、足腰が弱っている・自動車の運転ができない……などの理由で移動が困難だからではないでしょうか。逆にいえば、買い物にいけない、医療機関の受診が難しい、図書館や公民館など行政サービスの利用しにくい、という「3つ」を挙げても、それはすべて「移動」という一つの問題と考えるべきでしょう。
 「課題」としてどの程度の具体性を考えるのか、再検討してください。
F:高齢者の絶対数は増えなくても、若い世代と同居しない高齢者が増えれば、問1の※で指摘したような、「高齢者世帯の増加」は起きます。極端な話、今まで同居していた高齢者夫婦や高齢者兄弟姉妹がそれぞれ独立して、高齢者だけの「単独世帯」になれば、高齢者の全体数は同じでも、「単独世帯数」は増加しますね。
 Cで孤立、Bで移動の問題を挙げたのであれば、ここで介護などを挙げることができるでしょう。高齢者は病気に持病や障害を持つ人が多くなります。こうした人の介護は、かつての日本ではどう今日する若い世代(肯定者の子供やその配偶者)が行ってきました。しかし、問1※で挙げたような世帯には、若い世代がいません。そこで、家族以外、世帯の外部が介護の担い手となる必要が生じますね。
 以上のコメントを参考にして、再提出をしてください。